第114回医師国家試験 E30(2020年)
正答:b
問題
72歳の女性。左膝関節痛を主訴に来院した。2年前に歩行時の左膝関節痛を自覚し徐々に悪化している。最近歩行が困難になったため受診した。左膝関節の外傷歴はない。
身長155 cm、体重64 kg。体温36.3℃。脈拍64/分、整。左膝関節に膝蓋跳動と内反変形とを認めるが発赤と熱感はない。左膝関節エックス線写真(別冊No.2)を別に示す。
今後の対応の説明で誤っているのはどれか。
a.「大腿部の筋力を強くしましょう」
b.「杖の使用は避けてください」
c.「正座は避けてください」
d.「体重を減らしましょう」
e.「手術療法は有効です」

正答の理由
歩行時痛、内反変形、画像での内側関節裂隙の狭小化と骨棘形成から変形性膝関節症を考えます。杖は歩行の安定や患側膝への負担軽減に役立ち、使用を一律に避けるよう説明するbが不適切です。運動・体重管理などを行い、症状と生活への影響に応じて手術を検討します。
画像の見方
内側関節裂隙が外側に比べて狭く、内側関節辺縁の骨棘と軟骨下骨硬化を認めます。内側優位の変形性変化に合う所見です。
各選択肢の検討
a.適切です。大腿四頭筋などを鍛える運動療法を、痛みや状態に合わせて行います。
b.誤っています。杖は必要に応じて利用する歩行補助具で、避けるよう一律に指導しません。適切な高さや使い方を確認します。
c.適切です。正座などの深い屈曲で膝に負担をかける動作は避けるよう指導します。
d.適切です。過体重では減量により膝への負担軽減を図ります。
e.適切です。保存療法で症状が十分に改善しない場合には、病態に応じて人工関節置換などの手術が選択肢となります。すべての手術を一律に勧める意味ではありません。
覚えるポイント
変形性膝関節症では筋力訓練・体重管理・負担軽減を行い、必要なら杖や手術を検討する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。