第114回医師国家試験 D62(2020年)
正答:e
問題
78歳の女性。顔面の皮疹を主訴に来院した。4年前から右内眼角部に皮疹が出現し、徐々に増大したため受診した。受診時に右内眼角部に鱗屑を伴う不整形の紅斑を認める。紅斑の中央部から皮膚生検を行った。顔面の写真(別冊No. 28A)及び生検病理組織像(別冊No. 28B)を別に示す。
異型角化細胞の増殖がみられるのはどれか。
a.角質層
b.透明層
c.顆粒層
d.有棘層
e.基底層

正答の理由
高齢者の日光露出部の鱗屑性紅斑と、表皮下層を中心とする角化細胞の異型から日光角化症を考えます。本例で異型細胞が主に増殖するのは基底層です。進展した病変では異型が上層へ及ぶこともあり、全ての日光角化症が基底層だけに限局するという意味ではありません。
画像の見方
顔面に鱗屑を伴う紅斑を認めます。病理像では表皮基底層側の核の濃染・配列の乱れと、周囲の炎症細胞浸潤がみられます。表皮全層を占める異型増殖とは区別して読みます。
各選択肢の検討
a.誤り。角質層は角化した細胞の層です。角化異常は見られても、異型細胞増殖の主体ではありません。
b.誤り。透明層は主に手掌・足底などの厚い皮膚にみられ、顔面病変の異型増殖部位ではありません。
c.誤り。顆粒層の変化を伴うことはありますが、提示病変の異型は主に表皮下層です。
d.本問では選ばない。有棘層にも異型が及ぶ病型はありますが、この像では基底層優位の異型が手掛かりです。
e.正しい。日光角化症の基本的な病理所見は基底層側の異型角化細胞です。
覚えるポイント
日光角化症では基底層側の異型角化細胞に注目する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。