第114回医師国家試験 B41(2020年)
正答:d
問題
次の文を読み、41、42の問いに答えよ。
80歳の女性。失神のため救急車で搬入された。
現病歴:1か月前から咳が出現し、5 m歩行しても息切れするようになった。発熱や喀痰、胸痛はなく、体重が1か月で3 kg増加した。本日、自宅の居間で倒れているのを家族が発見し、救急車を要請した。救急隊到着時には意識はすでに回復し清明であった。
既往歴:高血圧症および不眠症があり、降圧薬と睡眠薬を内服中である。
アレルギー歴:特記すべきことはない。
生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。認知機能は正常で介護保険サービスは利用していない。夫とは8年前に死別し、現在は息子夫婦および孫3人と同居している。
家族歴:突然死や心疾患はなく、姉は70歳時に乳癌で死亡した。
この患者で、失神の原因として不整脈を疑う場合に聞くべき質問はどれか。
a.「倒れた後、舌を噛んで口から血が出ていませんでしたか」
b.「呼吸が速くなってきて、手足がしびれてきませんでしたか」
c.「倒れた後、30分程度意識がもうろうとしていませんでしたか」
d.「座っていたときに急に目の前が暗くなって倒れませんでしたか」
e.「突然バットで殴られたような激しい頭痛の後に意識を失いませんでしたか」
正答の理由
不整脈による失神は、立ち上がりや長時間立位といった誘因がなく、座位でも突然起こり得ます。したがって選択肢では、座っている時に急に視界が暗くなり倒れたかを尋ねる質問が最も合います。この回答だけで不整脈を確定せず、心電図と基礎心疾患の評価を行います。
各選択肢の検討
a.舌咬傷はてんかん発作を疑う情報です。
b.過換気に伴う症状を示唆します。
c.長く続く発作後の意識混濁はてんかん等の鑑別で重視します。
d.正しい。姿勢変化と無関係に急に起こる失神は心原性の原因を疑わせます。
e.突然の激烈頭痛に続く意識消失は、くも膜下出血等を疑う情報です。
覚えるポイント
失神では姿勢・誘因・前駆症状・意識回復の経過を確認する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。