第114回医師国家試験 B27(2020年)
正答:a
問題
52歳の男性。発熱と体幹の皮疹を主訴に来院した。3日前に38 ℃台の発熱と咽頭痛が出現した。自宅近くの医療機関でNSAIDを処方されたが、顔面と体幹に小水疱が多発したため受診した。妻が2週前に帯状疱疹に罹患したという。径2〜3 mmの紅暈を伴う小水疱と小膿疱を播種状に認め、一部にびらんと痂皮を伴う。体幹全体の写真(別冊No.3A)及び拡大写真(別冊No.3B)を別に示す。
この患者の全身を診察した際に水疱が認められる可能性が最も高いのはどれか。
a.口腔粘膜
b.腋窩
c.手掌
d.肛門周囲
e.足趾爪


正答の理由
帯状疱疹患者との接触後に、体幹中心の播種性の小水疱・膿疱・痂皮が混在し、水痘を考えます。水痘は口腔・咽頭粘膜にも病変を生じるため、選択肢では口腔粘膜が最も適切です。帯状疱疹の患者から感染した場合も、免疫のない接触者は水痘を発症し得ます。
画像の見方
体幹に小さな紅色の皮疹が散在し、拡大像では中央に水疱・膿疱状の内容を伴うものと、びらん・痂皮化したものが混在しています。単一の皮節に限局した配列ではなく、病歴と合わせて水痘を考える分布です。
各選択肢の検討
a.正しい。水痘では口腔・咽頭等の粘膜にも水疱やびらんが見られます。
b.皮疹が出る可能性はありますが、他の部位との比較で特に口腔粘膜病変が重要です。
c.水痘で絶対に出ない部位ではありませんが、手掌・足底優位の病変は手足口病等も鑑別します。
d.病変を完全に否定するわけではありませんが、最も典型的な選択肢ではありません。
e.爪甲そのものに水疱ができるわけではありません。
覚えるポイント
水痘は異なる段階の皮疹が混在し、皮膚だけでなく口腔粘膜も診察する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。