小児の眼窩底骨折|第114回医師国家試験B12

第114回医師国家試験 B12(2020年)

正答:d

問題

10歳の男児の左顔面にボールが当たり、その直後から物が二重に見え、悪心が出現している。上方視の状態(別冊No.1)を別に示す。

最も考えられる骨折部位はどれか。

a.頰骨

b.鼻骨

c.前頭骨

d.眼窩下壁

e.眼窩内壁

上方視で左眼の上転制限が認められる顔面写真
別冊No.1 上方視の状態 / 出典:厚生労働省・第114回B別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

左顔面への打撲後に複視・悪心が出現し、上方視で左眼の上転が制限されています。眼窩下壁骨折により下直筋周囲の軟部組織などが嵌頓する病態を疑います。小児では外見上の腫脹が軽くても絞扼があり得るため、速やかな眼科等の評価が必要です。

画像の見方

正面から見て右側にある患者の左眼は、右眼に比べて上方への動きが乏しく見えます。外傷後の上転制限は眼窩底での軟部組織嵌頓を疑わせますが、写真だけで骨折線や嵌頓組織を確定することはできません。

各選択肢の検討

a.頰骨骨折でも眼窩周囲に影響はあり得ますが、本問の上下方向の眼球運動障害からは眼窩下壁を選びます。

b.鼻部の変形や出血が主体で、左眼の上転制限を説明する代表的部位ではありません。

c.前額部の損傷に対応し、本例の眼球運動制限に最も合う部位ではありません。

d.正しい。眼窩底に軟部組織が挟まると上転制限や複視を生じ、眼心臓反射により悪心・徐脈などを伴うことがあります。

e.内直筋周囲の嵌頓では主に水平方向の眼球運動障害が問題になります。

覚えるポイント

小児の眼窩外傷で複視・眼球運動制限・悪心があれば軟部組織嵌頓を疑う。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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