第114回医師国家試験 A49(2020年)
正答:c
問題
78歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。半年前から労作時呼吸困難を自覚し、2週前から増悪しているという。意識は清明。体温37.0 °C。脈拍100/分、整。血圧146/84 mmHg。呼吸数24/分。SpO2 88 %(room air)。心音に異常を認めない。両側の背部にfine cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認めない。胸部エックス線写真(別冊No. 20A)及び胸部CT(別冊No. 20B)を別に示す。
認められる可能性が高いのはどれか。
a.一秒率低下
b.PaCO2上昇
c.A-aDO2開大
d.血清LD低下
e.血中サーファクタントプロテインD〈SP-D〉低下


正答の理由
fine cracklesと両肺の網状影・蜂巣肺を認め、線維化を伴う間質性肺疾患を考えます。低酸素血症は換気血流比不均等や拡散障害等によって生じ、肺胞気と動脈血の酸素分圧較差A-aDO2が開大します。画像だけで原因を特発性肺線維症に確定したり、2週の増悪を直ちに急性増悪と確定したりせず、感染・心不全等も評価します。
画像の見方
両肺の胸膜下を中心とした網状影と、多層性の囊胞状変化である蜂巣肺を認めます。CTには牽引性気管支拡張やすりガラス影もあり、線維化を背景とする間質性肺疾患のガス交換障害を考えます。
各選択肢の検討
a.一秒率低下は閉塞性障害の指標です。線維化主体では拘束性障害を示し、一秒率は通常保たれるか高めです。
b.初期からの典型所見ではありません。過換気でPaCO2は正常〜低値となることが多く、末期の換気不全では上がることもあります。
c.正しい。肺内のガス交換障害でA-aDO2が開大します。
d.LDは病勢や組織障害に伴い上昇する場合があり、低下が特徴ではありません。
e.SP-Dは肺胞上皮障害に伴い上昇し得る指標で、低下が特徴ではありません。
覚えるポイント
間質性肺疾患の低酸素血症ではA-aDO2開大を考える。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。