心房中隔欠損症の右心房酸素飽和度ステップアップ|第114回医師国家試験A45

第114回医師国家試験 A45(2020年)

正答:a

問題

70歳の男性。息切れを主訴に来院した。最近、趣味のグラウンド・ゴルフをするときに息切れを自覚するようになり受診した。喫煙歴はない。心音はⅡ音の固定性分裂を認め、胸骨左縁第2肋間に収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。手指にチアノーゼ、ばち指を認めない。心電図は洞調律で不完全右脚ブロックを認める。胸部エックス線写真(別冊No.17A)及び心エコー図(別冊No.17B)を別に示す。その後心臓カテーテル検査を行った。

この患者の各部位の酸素飽和度(%)で正しいのはどれか。

SVC:上大静脈、RA:右心房、RV:右心室、PA:肺動脈、LV:左心室

選択肢 SVC RA RV PA LV
a 70 84 83 85 98
b 70 69 83 85 98
c 70 69 69 70 98
d 70 69 69 85 98
e 70 69 69 70 89
肺血管陰影と右心系の拡大が目立つ胸部エックス線
別冊No.17A 胸部エックス線写真 / 出典:厚生労働省・第114回A別冊(原本の該当ページ)
心房中隔を横切るカラーフローと右房・右室・左房・左室の表示を含む心エコー図
別冊No.17B 心エコー図 / 出典:厚生労働省・第114回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

Ⅱ音の固定性分裂、肺動脈領域の収縮期雑音、不完全右脚ブロックと心エコー図から心房中隔欠損症を考えます。左房の酸素化された血液が右房へ流入する左→右短絡のため、上大静脈から右心房に入った段階で酸素飽和度が上昇します。右室・肺動脈でも高い値が続き、左室の酸素飽和度は保たれるaが適切です。

画像の見方

胸部写真では肺血管陰影と右心系の拡大が目立ちます。心エコーでは心房中隔を横切るカラーフローがみられ、心房間の短絡を示唆します。左→右短絡という方向は症例所見と合わせて判断し、この静止画だけで圧較差や短絡量を定量しません。

各選択肢の検討

a.正しい。SVC 70 %からRA 84 %への上昇は心房レベルの左→右短絡に合います。

b.右室で初めて上昇しており、心室レベルの左→右短絡を示唆する組合せです。

c.右心系に明らかな上昇がなく、提示された心房レベルの左→右短絡に対応しません。

d.肺動脈で初めて上昇しており、動脈管等を介した肺動脈レベルの左→右短絡を考える組合せです。

e.右心系の上昇がなく、左室の酸素飽和度が低下しています。本例のチアノーゼを欠く左→右短絡の病像には合いません。

覚えるポイント

酸素飽和度がどこで上がるかを見る。ASDでは上大静脈→右心房でステップアップする。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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