第114回医師国家試験 A19(2020年)
正答:e
問題
3歳の男児。5日前から右の眼瞼下垂が出現し、次第に目立ってきたため、祖母に連れられて受診した。1年前の写真では両側とも眼瞼下垂はなかった。外傷の既往はない。意識は清明で、活発に走り回っている。右優位の両側眼瞼下垂を認めるが、祖母によると朝は目立たず、夜になると悪化するという。嚥下に問題はない。四肢の筋萎縮はなく、腱反射は正常である。視力は右0.8(1.2×+1.0 D)、左0.7(1.2×+1.0 D)で乱視は認めず、眼球運動にも異常を認めない。
診断に有用なのはどれか。
a.脳波
b.脳脊髄液検査
c.ポリソムノグラフィ
d.聴性脳幹反応〈ABR〉
e.エドロホニウムテスト
正答の理由
後天性で朝に軽く夜に悪化する両側眼瞼下垂は、易疲労性・日内変動を特徴とする重症筋無力症を疑わせます。エドロホニウムは短時間作用性のコリンエステラーゼ阻害薬で、投与後の眼瞼下垂等の改善が診断を支持します。徐脈等の副作用に備えた監視下で行い、抗体検査や電気生理検査等と総合して判断します。眼球運動が正常でも眼筋型を否定しません。
各選択肢の検討
a.てんかん等の評価に用います。持続する日内変動性の眼瞼下垂の主要検査ではありません。
b.感染・炎症性中枢疾患等を調べる検査で、本例の神経筋接合部障害を直接評価しません。
c.睡眠時無呼吸等の検査で、眼瞼下垂の易疲労性を評価しません。
d.聴覚経路の検査であり、眼瞼下垂の診断には対応しません。
e.正しい。短時間の神経筋伝達改善により、眼瞼下垂が軽快するかを確認します。小児では適切な専門管理下で行います。
覚えるポイント
朝軽く夕方悪化する眼瞼下垂は神経筋接合部障害を疑う。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。