第113回医師国家試験 F50(2019年)
正答:c
問題
28歳の初産婦(1妊0産)。妊娠 38週4日に自然陣痛初来後、順調に経過し、経腟分娩となった。分娩経過に異常は認めず、分娩後の出血量も少量で子宮収縮は良好である。児は 3,240 g の男児で新生児経過に異常はない。既往歴に統合失調症があり、24歳から複数の抗精神病薬を内服している。そのため、児への母乳栄養は希望していない。
乳汁分泌抑制のために投与する薬剤として正しいのはどれか。
a.スルピリド
b.ニフェジピン
c.ブロモクリプチン
d.メトクロプラミド
e.メチルエルゴメトリン
正答の理由
提示薬でプロラクチン分泌を抑制するのは、ドパミン作動薬ブロモクリプチンで、公式正答はcです。ただし精神病の既往・治療中の患者では精神症状悪化の危険があり、抗精神病薬との相互作用にも注意が必要です。実臨床では産科・精神科で相談し、医学的な必要性と非薬物的な乳汁分泌抑制も含めて判断します。統合失調症や抗精神病薬内服だけを理由に母乳栄養が常に禁止されるわけではありません。
各選択肢の検討
a.ドパミンD2受容体遮断作用により、むしろプロラクチン上昇・乳汁分泌を起こし得ます。
b.カルシウム拮抗薬で、乳汁分泌抑制薬ではありません。
c.正しい。プロラクチン分泌を抑制しますが、本患者には精神症状悪化等の留保があります。
d.D2受容体遮断作用があり、プロラクチンを上昇させ得ます。
e.子宮収縮薬であり、プロラクチンを抑制する目的の薬ではありません。
覚えるポイント
ドパミン作動薬は乳汁を抑制するが、精神病では慎重な判断が必要。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。