妊娠中の放射線影響の時期と線量限度|第113回医師国家試験F39

第113回医師国家試験 F39(2019年)

正答:b・c

問題

妊娠中の放射線被ばくについて正しいのはどれか。2つ選べ。

a.妊娠早期の被ばくは人工妊娠中絶の適応になる。

b.胎児の奇形発生は閾値のある確定的影響とされる。

c.放射線業務従事者には線量限度が定められている。

d.胎児の奇形発生リスクは妊娠後期の被ばくで高い。

e.出生後の精神発達遅滞の発症リスクは妊娠後期の被ばくで高い。

正答の理由

胎児の奇形等は、一定以上の線量で生じる組織反応〈従来の確定的影響〉として整理します。また放射線業務従事者には職業被ばくの線量限度が定められています。胎児への影響は受精後の時期と吸収線量に左右され、妊娠早期に検査を受けたという事実だけで中絶の適応とはしません。

各選択肢の検討

a.一律の適応にはなりません。胎児線量と時期を評価します。ICRPに基づくIAEAの説明では、胎児線量100 mGy未満で放射線リスクのみを理由とする中絶は正当化されません。

b.正しい。奇形は閾値のある組織反応です。将来の発癌リスクなどの確率的影響とは区別します。

c.正しい。国内では妊娠と診断された放射線業務従事者についても、出産までの内部被ばくと腹部表面の線量限度等が定められています。

d.奇形への感受性は主に器官形成期に高く、妊娠後期が最も高いわけではありません。

e.中枢神経系への影響は受精後8〜15週を中心に感受性が高く、妊娠後期が最も高いという記述は誤りです。受精後週数と妊娠週数は区別します。

覚えるポイント

胎児の放射線リスクは、被ばくの有無だけでなく時期・線量・影響の種類で評価します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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