癌悪液質の病態と化学療法による栄養障害の区別|第113回医師国家試験F14

第113回医師国家試験 F14(2019年)

正答:b

問題

癌悪液質について誤っているのはどれか。

a.慢性炎症が関連する。

b.抗癌化学療法によって惹起される。

c.がん細胞のエネルギー代謝が関連する。

d.3大症候は倦怠感、食欲不振、体重減少である。

e.前悪液質、悪液質、不可逆的悪液質の3段階がある。

正答の理由

癌悪液質は、がんと宿主の相互作用による炎症・代謝異常を背景に骨格筋量が進行性に減少する病態です。公式正答はbで、化学療法の副作用による摂取不良だけで定義されるものではありません。ただし化学療法の悪心・粘膜障害等が栄養障害を悪化させ、悪液質に関与することはあり、「化学療法は全く関与しない」とは断定しません。

各選択肢の検討

a.正しい。炎症性サイトカイン等を介した慢性炎症が病態に関わります。

b.本問の正答。癌悪液質の成因を化学療法の副作用そのものとする説明は適切ではありません。ただし治療関連の摂取障害や代謝への影響は併存・増悪因子になり得ます。

c.正しい。腫瘍と宿主のエネルギー・蛋白代謝の変化が関わります。

d.典型的な症候として挙げられます。ただし倦怠感・食欲不振・体重減少だけを必須の診断基準とせず、筋量・機能や炎症、摂取状況を評価します。

e.国際的な段階分類に対応します。不可逆的悪液質は治療抵抗性のrefractory cachexiaを指し、全ての悪液質が初めから不可逆という意味ではありません。

覚えるポイント

癌悪液質はがんに伴う炎症・代謝異常と筋量減少。治療に伴う栄養障害も併せて評価する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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