第113回医師国家試験 E21(2019年)
正答:e
問題
輸血開始1時間後に、発熱、悪寒および呼吸困難が出現し、血圧が低下した。
可能性が低いのはどれか。
a.輸血関連急性肺障害
b.異型輸血による溶血
c.エンドトキシンショック
d.アナフィラキシーショック
e.輸血後移植片対宿主病〈GVHD〉
正答の理由
輸血開始1時間後は急性輸血副反応を考える時間帯です。輸血後GVHDは供血者のリンパ球が生着して受血者を傷害する病態で、典型的には1〜2週間後に発熱・紅斑等で発症するため、この時点では可能性が低いと判断します。実際には直ちに輸血を止め、呼吸・循環を評価して原因検索と処置を進めます。
各選択肢の検討
a.輸血中〜終了後6時間以内に急性の低酸素性呼吸障害を生じ得ます。1時間という時間経過に合います。
b.ABO不適合等による急性溶血は、輸血開始後早期に発熱・悪寒・血圧低下等を来し得ます。
c.細菌汚染血液による敗血症性反応は、発熱・悪寒とショックを早期に来し得ます。
d.早期に呼吸症状・血圧低下を来す重要な鑑別です。発熱を必須とするものではありません。
e.本問の正答。リンパ球の生着・増殖を経て起こる遅発性の病態で、開始1時間後の説明として劣ります。
覚えるポイント
輸血の急性反応と、1〜2週後に始まる輸血後GVHDの時間軸を区別します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。