第113回医師国家試験 D73(2019年)
正答:a・c
問題
44歳の男性。過活動を心配した妻に連れられて受診した。3か月前から疲れがとれないと訴え、朝は起床が困難で、会社に遅刻するようになった。2週間前から、特にきっかけなく急に元気になった。「体調が最高なので、眠らなくても全く疲労を感じない」と言い、夜中に欧州支社の担当者と国際電話で話し続け、ほとんど眠らずに出勤するようになったため、妻に連れられ受診した。早口・多弁で、よく話すが話題が転々と変わりやすい。妻が家における患者の状態について話すと、些細なことで不機嫌になった。意識は清明であり、身体所見に異常を認めない。
治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
a.バルプロ酸
b.ジアゼパム
c.炭酸リチウム
d.イミプラミン
e.パロキセチン
正答の理由
睡眠欲求の低下、多弁、活動性の増加、観念奔逸と易刺激性から躁状態を考えます。選択肢では気分安定薬のバルプロ酸と炭酸リチウムが適切です。実際の急性躁病の治療では抗精神病薬等も選択肢となり、重症度・既往・副作用・本人の希望等から決定します。
各選択肢の検討
a.正しい。躁状態の治療に用いる気分安定薬です。肝機能・血球数、催奇形性等の生殖に関わる安全性を評価します。
b.強い興奮や不眠に短期補助として用いることはありますが、躁状態の中核に対する気分安定薬としてはa・cを選びます。
c.正しい。躁状態に用います。血中濃度、腎機能、甲状腺機能、水分・Naバランス等を確認して管理します。
d.三環系抗うつ薬です。躁状態に単独で投与する方針は不適切で、躁転・悪化に注意します。
e.SSRIです。躁状態の治療薬ではなく、単独投与で悪化する可能性があります。
覚えるポイント
眠らなくても疲れない過活動・多弁では躁状態を考え、抗うつ薬単独投与を避けます。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。