第113回医師国家試験 D72(2019年)
正答:a・c
問題
50歳の男性。胸痛を主訴に来院した。4か月前から胸痛を自覚し、次第に増強するため受診した。18歳から現在まで造船業に従事している。胸水から悪性細胞が認められたが、組織型は不明である。胸部エックス線写真(別冊No.35A)、胸部造影CT(別冊No.35B)及びPET/CT(別冊No.35C)を別に示す。
組織型を決定するために適切なのはどれか。2つ選べ。
a.胸腔鏡下生検
b.縦隔鏡下生検
c.CTガイド下生検
d.気管支内視鏡下生検
e.上部消化管内視鏡下生検


正答の理由
大量の片側胸水と胸膜の肥厚・集積、造船業の職歴から悪性胸膜中皮腫を疑います。胸水細胞診だけでは組織型を確定できないため、胸膜病変を胸腔鏡下、またはCTガイド下に生検します。職歴だけで石綿曝露を確定したり、他の胸膜悪性腫瘍を除外したりはしません。
画像の見方
左胸腔に大量の胸水を認めます。造影CTでは左胸膜が肥厚し、PET/CTでは胸壁側・縦隔側の胸膜に沿う強い集積がみられます。画像だけで組織型を断定はできません。
各選択肢の検討
a.正しい。胸腔内を直接観察して胸膜の病変部から十分な組織を採取できます。
b.縦隔のリンパ節等が主な対象で、本例の胸膜病変の直接採取には適しません。
c.正しい。画像で病変部を確認し、肥厚した胸膜から組織を採取します。
d.気道内の病変が示されておらず、胸膜病変の診断に適した経路ではありません。
e.消化管粘膜から胸膜の病変組織を採取することはできません。
覚えるポイント
胸膜病変は胸膜から組織を採取し、細胞診だけで不十分な場合は生検へ進みます。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第113回医師国家試験問題および正答
- British Thoracic Society:悪性胸膜中皮腫診療指針・病理診断と細胞診の限界
- NCI:Malignant Mesothelioma Treatment (PDQ), Diagnostic Evaluation
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。