第113回医師国家試験 D55(2019年)
正答:e
問題
24歳の男性。球脊髄性筋萎縮症と診断され、遺伝カウンセリングを受けている。16歳の妹への疾患遺伝の影響が心配だという。
適切な対応はどれか。
a.「妹さんが成人するまで言わないでおきましょう」
b.「妹さんに症状が出た段階で遺伝子検査をしましょう」
c.「妹さんの遺伝子検査を行いますのでお連れください」
d.「女性は発症しないので遺伝子検査の必要はありません」
e.「まずは妹さんにこの病気のことを知ってもらいましょう」
正答の理由
球脊髄性筋萎縮症はX連鎖性の疾患で、妹にも保因者である可能性など遺伝的影響を考えます。まず本人の理解度・希望に配慮して病気の情報を伝え、遺伝カウンセリングにつなげる対応が適切です。情報提供と検査の実施は別であり、無症状の未成年者の保因者検査は原則として本人が成人後に自律的に判断できるまで延期します。
各選択肢の検討
a.検査を急がないことと、病気の情報を一律に隠すことは異なります。年齢と理解に応じた説明を検討します。
b.女性保因者の意義は本人の発症だけではありません。症状が出るまで情報や相談を不要とする対応は不十分です。
c.本人の意思や検査の意義を確認せず、兄の希望だけで検査を決めるのは不適切です。
d.主に男性に発症しますが、女性が保因者である可能性や次世代への影響はあり、相談不要とはいえません。
e.正しい。まず情報を共有し、妹自身の理解と意思決定を支援します。
覚えるポイント
遺伝情報の説明と保因者検査は別。家族本人の理解・知る/知らない希望・自律性に配慮。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。