成人片側滲出性中耳炎と頸部腫瘤から上咽頭を調べる|第113回医師国家試験D30

第113回医師国家試験 D30(2019年)

正答:b

問題

66歳の女性。左耳閉感を主訴に来院した。2週間前から左耳閉感を自覚するようになったため受診した。耳痛やめまいはない。鼻腔内および口腔内に異常を認めない。左上頸部に硬い腫瘤を複数触知する。左耳の鼓膜写真(別冊No.8)を別に示す。

病変の有無を確認すべき部位はどれか。

a.耳下腺

b.上咽頭

c.中咽頭

d.下咽頭

e.喉頭

鼓膜の奥に黄褐色の貯留液と円形の気泡を認める。
左鼓膜写真 / 出典:厚生労働省・第113回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

鼓膜の奥に液体と気泡を認め、片側の滲出性中耳炎が考えられます。成人の片側性病変に硬い頸部腫瘤を伴うため、耳管咽頭口を閉塞させる上咽頭癌などを疑い、上咽頭を内視鏡等で確認します。鼻腔や口腔の通常診察が正常でも、その奥にある上咽頭の病変は除外できません。

画像の見方

鼓膜の奥に黄褐色の液体と気泡がみられ、中耳に液体が貯留している所見です。

各選択肢の検討

a.誤り。耳下腺は唾液腺であり、耳管開口部を介した片側滲出性中耳炎をまず説明する部位ではありません。

b.正しい。耳管咽頭口があり、上咽頭腫瘍が耳管を閉塞して滲出性中耳炎を生じます。頸部リンパ節腫大も重要です。

c.誤り。頸部腫瘤の原発を検索する際には評価しますが、本例の片側耳管機能障害と結び付く最優先部位は上咽頭です。

d.誤り。嚥下痛や嚥下障害などの症状を来すことがありますが、提示された耳所見の解剖学的な関連は上咽頭です。

e.誤り。主に嗄声や呼吸・嚥下の問題と関連し、この片側中耳貯留液を直接説明する部位ではありません。

覚えるポイント

成人の片側滲出性中耳炎では上咽頭を確認。頸部腫瘤を伴えば腫瘍性閉塞を特に疑う。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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