第113回医師国家試験 D28(2019年)
正答:a
問題
72歳の女性。2か月前から便に血液が付着し、便秘傾向になったため来院した。腹部は平坦、軟で、腫瘤を触知しない。下部消化管内視鏡像(別冊No.7A)及びCTコログラム(別冊No.7B)を別に示す。胸腹部造影CTで他臓器やリンパ節への転移を認めない。
術式として適切なのはどれか。
a.S状結腸切除術
b.横行結腸切除術
c.右半結腸切除術
d.大腸全摘術
e.直腸切断術

正答の理由
内視鏡では易出血性の不整な隆起・潰瘍性病変が腸管内腔を狭くしています。CTコログラムでは直腸より口側のS状結腸に限局性の強い狭窄があり、S状結腸癌と考えます。病変部とそのリンパ流に対応する範囲を切除するS状結腸切除術が適切です。CTで転移を指摘できなくても、必要な領域リンパ節郭清を省くという意味ではありません。
画像の見方
Aでは発赤し不整な周堤を伴う狭窄病変を認めます。Bでは直腸から連続してたどったS状結腸に、内腔がほぼ途絶する短い狭窄がみられます。
各選択肢の検討
a.正しい。病変があるS状結腸を、その支配血管・領域リンパ節を含めて切除する術式です。
b.誤り。横行結腸は提示された狭窄の部位ではありません。
c.誤り。盲腸・上行結腸側の病変ではなく、右半結腸切除術の対象ではありません。
d.誤り。この単発のS状結腸病変に、大腸全体を切除する適応は示されていません。
e.誤り。肛門温存が困難な低位直腸病変の術式であり、この部位には該当しません。
覚えるポイント
結腸癌の手術範囲は病変の部位とリンパ流で決める。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。