第113回医師国家試験 D24(2019年)
正答:d
問題
16歳の男子。相撲をしていて右眼を打撲し受診した。入院の上、治療を行い、右眼の視力が0.4(矯正不能)から0.3(1.2×−2.0 D)となった。治療前後の眼底写真(広角撮影像)(別冊No.5)を別に示す。
行われた治療はどれか。
a.抗VEGF薬硝子体注射
b.レーザー光凝固術
c.光線力学的療法
d.強膜内陥術
e.硝子体手術

正答の理由
眼球打撲後の網膜剝離が治療後には復位し、眼底周辺に外側から圧迫された内陥部がみられます。術後は−2.0 Dで良好に矯正できる近視状態となっている点も、強膜内陥術後の眼軸延長・近視化と整合します。ただし術前の屈折値は示されておらず、近視化の量自体は算定できません。眼球外からバックルを置いて裂孔部を支える強膜内陥術の所見です。若年者の外傷性裂孔原性網膜剝離は、この術式を検討する代表的な状況です。
画像の見方
治療前は周辺から網膜が隆起しており、治療後には網膜が復位しています。治療後の周辺部には外側から支えるバックルに対応する内陥がみられます。
各選択肢の検討
a.誤り。主に血管新生・血管透過性の病変を治療する薬剤で、この外傷性網膜剝離と内陥像を説明しません。
b.誤り。裂孔周囲の凝固を併用することはありますが、眼球外からの内陥と近視化を生じる主手術は強膜内陥術です。
c.誤り。光感受性物質を用いる治療で、提示された外傷後の裂孔原性網膜剝離の主手術ではありません。
d.正しい。バックルで強膜を内側に押し、裂孔を閉鎖して網膜を復位させます。術後の近視化も手がかりです。
e.誤り。網膜剝離の治療法の一つですが、本問の周辺部内陥像と屈折変化は強膜内陥術を支持します。
覚えるポイント
強膜内陥術では眼球外のバックルで裂孔を支え、術後に近視化することがある。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。