第113回医師国家試験 D21(2019年)
正答:c
問題
45歳の男性。膵腫瘍の精査のため来院した。15年前から2型糖尿病で自宅近くの診療所で内服治療を受けている。3か月前から急激に血糖コントロールが悪化したため腹部超音波検査を受けたところ、膵腫瘍が認められ紹介受診となった。eGFR 48 mL/分/1.73 m²。
腹部造影CTを計画する際に検査前後数日間の休薬を検討すべき薬剤はどれか。
a.DPP-4阻害薬
b.SGLT2阻害薬
c.ビグアナイド薬
d.スルホニル尿素薬
e.α-グルコシダーゼ阻害薬
正答の理由
ビグアナイド薬のメトホルミンは腎排泄されます。ヨード造影剤投与後に腎機能が悪化すると薬剤が蓄積し、乳酸アシドーシスのリスクになるため、日本の指針では予定された造影検査に際して一時休薬を検討します。2018年版造影剤ガイドラインでは、国内添付文書の検査前の中止と投与後48時間は再開しない注意を説明しています。具体的な対応は現行添付文書、腎機能、急性腎障害の有無、検査の緊急性に従い、海外指針と一律に同一視しません。
各選択肢の検討
a.誤り。造影剤との併用で乳酸アシドーシスを避けるため休薬する代表薬ではありません。
b.誤り。絶食・脱水・手術等では休薬を要することがありますが、本問の造影剤と腎機能に特有の論点はビグアナイド薬です。
c.正しい。腎機能悪化時のメトホルミン蓄積と乳酸アシドーシスを避けるため、一時休薬を検討します。
d.誤り。絶食に伴う低血糖への調整は必要ですが、造影剤に関連する乳酸アシドーシスの代表薬ではありません。
e.誤り。食事をとらない場合の調整は別に行いますが、この造影剤使用時の特有の注意とは異なります。
覚えるポイント
メトホルミン+ヨード造影検査では、腎機能と乳酸アシドーシスに配慮した休薬・再開判断。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。