梨状陥凹の腫瘍と下咽頭癌|第113回医師国家試験A46

第113回医師国家試験 A46(2019年)

正答:d

問題

65歳の男性。徐々に増大する左頸部の腫瘤と嚥下障害を主訴に来院した。左頸部に径2.5 cmの弾性硬のリンパ節を1個触知する。圧痛を認めない。同部位の穿刺吸引細胞診で扁平上皮癌と診断された。喫煙は20本/日を30年間。飲酒は日本酒4合/日を45年間。内視鏡像(別冊No.18)を別に示す。

考えられるのはどれか。

a.喉頭癌

b.上咽頭癌

c.中咽頭癌

d.下咽頭癌

e.頸部食道癌

第113回A46の喉頭入口部の内視鏡像
喉頭入口部の内視鏡像 / 出典:厚生労働省・第113回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

頸部リンパ節に扁平上皮癌があり、嚥下障害と大量の飲酒・喫煙歴を伴います。内視鏡では喉頭入口部の外側、梨状陥凹に相当する領域に腫瘍性病変を認め、下咽頭癌を考えます。リンパ節の細胞診だけで原発部位を決めず、画像上の位置と合わせて判断します。

画像の見方

喉頭入口部の外側、梨状陥凹に相当する領域に凹凸のある腫瘍性病変が見られます。声門との位置関係から原発部位を考えます。

各選択肢の検討

a.喉頭癌も頸部へ転移しますが、本図の主病変は声門内ではなくその外側の下咽頭側です。

b.上咽頭は鼻腔後方で、提示された喉頭入口部周囲とは位置が異なります。

c.中咽頭は口蓋扁桃や舌根等の領域で、梨状陥凹とは異なります。

d.正しい。梨状陥凹は下咽頭の一部で、嚥下障害・頸部リンパ節転移とも整合します。

e.頸部食道は下咽頭より肛門側です。本図の主病変の位置に合いません。

覚えるポイント

嚥下障害と頸部扁平上皮癌転移では、下咽頭を含む頭頸部の原発巣を検索します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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