第113回医師国家試験 A31(2019年)
正答:a
問題
78歳の男性。特別養護老人ホームの入所前検査で梅毒血清反応に異常がみられたため受診した。梅毒を罹患し治療を受けたことがある。RPR 1倍未満(基準1倍未満)、TPHA 640倍(基準80倍未満)。明らかな皮疹を認めない。
対応として適切なのはどれか。
a.「治療の必要はありません」
b.「抗核抗体検査を行います」
c.「ペニシリン内服で加療を行います」
d.「7日以内に保健所への届出が必要です」
e.「3か月後に血清抗体価の再検査を行います」
正答の理由
梅毒治療歴がありRPRは陰性、TPHAのみ陽性で、治療後に残るトレポネーマ抗体を考えます。適切な治療歴が確認でき、再曝露や新たな症状がなければ追加治療は不要です。TPHAは治療後も長期間陽性となるため、その値だけで活動性感染や治療失敗とは判断しません。
各選択肢の検討
a.正しい。治療歴と再曝露・症状を確認したうえで追加治療不要と説明します。
b.自己抗体等で問題となるのは主に非トレポネーマ検査の生物学的偽陽性です。本例は既感染の経過に合います。
c.活動性感染の根拠がなく、TPHA陽性のみで再治療しません。
d.治療済み既感染反応だけで新規の梅毒患者として届け出るものではありません。
e.再曝露等がなければ一律の再検査を必要としません。最近の再曝露があれば、より早期のRPR再検等を検討します。
覚えるポイント
梅毒治療後のTPHA陽性は残り得る。活動性は治療歴・再曝露・症状とRPR等で評価する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。