第113回医師国家試験 A26(2019年)
正答:b
問題
32歳の女性。めまいを主訴に来院した。今朝、耳掃除をしていたところ、子どもに後ろから抱きつかれ、右耳に耳かき棒が入った。聴力低下とぐるぐる回るめまいを自覚し、症状の改善がないため受診した。右耳鳴も持続している。右鼓膜に小さな穿孔を認め、聴力検査で右耳に軽度の聴力低下を認める。気導骨導差10 dB。側頭骨CTで明らかな異常を認めない。
数日以内に出現した場合、緊急手術が必要となるのはどれか。
a.耳漏の出現
b.めまいの増悪
c.味覚障害の出現
d.鼓膜穿孔の拡大
e.気導骨導差の縮小
正答の理由
耳かきによる鼓膜・中耳への直達外傷後のめまいと難聴は、外リンパ瘻などの内耳損傷を疑う所見です。めまいが増悪すれば持続する瘻孔や進行性内耳障害を考え、緊急の耳科評価と鼓室試験開放・瘻孔閉鎖等を検討します。CTに明らかな異常がなくても外リンパ瘻を否定できません。
各選択肢の検討
a.外耳・中耳感染等を評価しますが、耳漏単独が本問の緊急手術指標ではありません。
b.正しい。進行する前庭症状は内耳損傷の悪化を示唆します。
c.鼓索神経の損傷等を考えますが、それだけで瘻孔閉鎖の緊急適応とはしません。
d.経過観察や修復を検討しますが、内耳障害の増悪を示すbを優先します。
e.伝音成分の改善でも起こり得ます。ただし骨導低下による縮小なら内耳障害の評価が必要で、差の縮小だけでは判断しません。
覚えるポイント
鼓膜外傷後の増悪するめまい・感音難聴は外リンパ瘻を疑い、正常CTだけで除外しない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。