第112回医師国家試験 E12(2018年)
正答:c
問題
アルコール依存症でみられる神経学的所見のうち、小脳失調の所見はどれか。
a.外眼筋麻痺
b.記銘力障害
c.つぎ足歩行不能
d.Romberg徴候陽性
e.手袋靴下型感覚障害
正答の理由
かかとと反対側のつま先を接して歩くつぎ足歩行では、狭い支持基底面での姿勢・運動の協調をみます。小脳失調ではこれが困難になり、cが正答です。Romberg徴候は開眼で保てる姿勢が閉眼で崩れる所見で、主に深部感覚や前庭機能を評価します。つぎ足歩行困難だけで原因を小脳に限定はしませんが、この選択肢の中では最も合います。
各選択肢の検討
a.誤り。Wernicke脳症でみられますが、外眼筋麻痺そのものは小脳失調の所見ではありません。
b.誤り。記憶機能の障害で、Korsakoff症候群等で問題になります。小脳性の運動失調とは異なります。
c.正しい。小脳の平衡・協調運動の障害で困難になる課題です。
d.誤り。閉眼による著しい悪化は感覚性失調等の手掛かりです。小脳障害では開眼時から不安定になり得ます。
e.誤り。末梢神経障害による遠位優位の感覚障害を示唆し、小脳失調そのものではありません。
覚えるポイント
小脳失調は開眼でも協調運動・歩行が不安定。閉眼で大きく悪化するRomberg徴候と区別する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。