顎下腺唾石症の食事時痛|第112回医師国家試験D57

第112回医師国家試験 D57(2018年)

正答:c

問題

51歳の女性。1週間前からの右顎下部の腫脹を主訴に来院した。血液所見:赤血球480万、Hb 13.8g/dL、Ht 42%、白血球9,000、血小板22万。CRP 0.4mg/dL。尿所見と他の血液生化学所見とに異常を認めない。頭頸部CT(別冊No.29)を別に示す。

この疾患について正しいのはどれか。

a.発熱を伴う。

b.口腔乾燥を伴う。

c.食事中に疼痛を伴う。

d.頰部粘膜の腫脹を伴う。

e.口腔底に潰瘍形成を伴う。

右顎下腺導管の走行に沿う石灰化を示す頭頸部CT
頭頸部CT(別冊No.29) / 出典:厚生労働省・第112回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

右顎下腺の導管走行に沿う高吸収の石灰化があり、顎下腺唾石症を考えます。食事で唾液分泌が増えても排出路が閉塞しているため、食事に伴う腫脹や疼痛(唾疝痛)が生じます。感染を合併すれば発熱も起こり得ますが、閉塞自体に特徴的な症状として食事中の疼痛を選びます。

画像の見方

画像左側、すなわち患者の右側で、顎下腺導管の走行に沿う類円形の高吸収域がみられます。右顎下部の腫脹と合わせ、導管を閉塞する唾石を考えます。

各選択肢の検討

a.本問では選びません。感染性唾液腺炎を合併すれば発熱しますが、単純な閉塞で必ず発熱するわけではありません。

b.本問では選びません。一側の唾石による閉塞だけで、口腔全体の乾燥が主要症状になるとは限りません。

c.正しい。分泌が増える食事時に、閉塞した導管内圧が上がって痛みや腫脹を生じます。

d.誤り。顎下腺導管の開口部は口腔底にあります。頰粘膜の腫脹は本病変の特徴ではありません。

e.誤り。導管開口部や口腔底の腫脹はあり得ますが、潰瘍形成は典型的な所見ではありません。

覚えるポイント

顎下部の腫脹と食事時痛は唾石症の手掛かり。発熱は感染合併を評価する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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