典型的な胃底腺ポリープへの対応|第112回医師国家試験D56

第112回医師国家試験 D56(2018年)

正答:a

問題

40歳の女性。人間ドックの上部消化管造影検査で胃に異常を指摘されたため来院した。上部消化管内視鏡像(別冊No.28)を別に示す。

対応として適切なのはどれか。

a.経過観察

b.プロトンポンプ阻害薬の投与

c.Helicobacter pylori除菌

d.内視鏡的粘膜切除

e.胃全摘

胃体部に小型で平滑な隆起が多発する内視鏡像
上部消化管内視鏡像(別冊No.28) / 出典:厚生労働省・第112回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

胃体部を中心に小さく平滑な隆起が多発し、典型的な胃底腺ポリープを考えます。異型を疑う所見のない散発性胃底腺ポリープでは切除や薬物治療は通常不要で、選択肢では経過観察です。実臨床では大きさ・個数・表面の不整や家族歴等を確認し、非典型例は生検や切除を検討します。典型例にポリープだけを理由とした定期内視鏡を必須とする意味ではありません。

画像の見方

胃体部に、周囲粘膜と近い色調の小さく平滑な隆起が多数みられます。明らかな潰瘍や不整な大型腫瘤を主体とする像ではなく、胃底腺ポリープを考えます。

各選択肢の検討

a.正しい。典型的な小型胃底腺ポリープでは特別な治療を要しません。

b.誤り。ポリープを治療する適応ではありません。むしろ長期PPI使用と胃底腺ポリープには関連が知られ、服用中なら適応を見直します。

c.誤り。画像からH. pylori感染を示すわけではなく、胃底腺ポリープ自体を理由に除菌は行いません。感染があれば別の適応で判断します。

d.誤り。典型的な小型病変を一律に切除しません。1cm超、潰瘍や不整等の非典型所見があれば組織評価を検討します。

e.誤り。提示された典型的な良性ポリープに対して過大な治療です。

覚えるポイント

典型的な小型胃底腺ポリープは治療不要。大きさ・形態の異常や家族性疾患を疑う所見は別扱い。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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