第112回医師国家試験 D48(2018年)
正答:b
問題
28歳の女性。健診で胸部の異常陰影を指摘されたため来院した。胸部エックス線写真(別冊No.23A)と胸部CT(別冊No.23B)とを別に示す。
診断のために必要性が低い検査項目はどれか。
a.hCG
b.β-Dグルカン
c.可溶性IL-2受容体
d.α-フェトプロテイン〈AFP〉
e.抗アセチルコリン受容体抗体


正答の理由
画像から前縦隔の腫瘤が考えられ、胸腺腫、胚細胞腫瘍、悪性リンパ腫などを鑑別します。AFP・hCGは胚細胞腫瘍、可溶性IL-2受容体はリンパ腫、抗アセチルコリン受容体抗体は胸腺腫に合併し得る重症筋無力症の評価に関連します。真菌感染の補助診断に用いるβ-Dグルカンは、この状況での必要性が最も低い検査です。
画像の見方
胸部写真で右上縦隔の輪郭が突出しています。CTでは上行大動脈の前方に接する類円形の軟部組織腫瘤があり、前縦隔の病変として鑑別を進めます。この断面だけで腫瘍の組織型までは決められません。
各選択肢の検討
a.適切な検査です。前縦隔に生じる胚細胞腫瘍の一部で上昇する腫瘍マーカーです。
b.正答。真菌症の補助診断用であり、提示された前縦隔腫瘤の主要な鑑別を進める検査ではありません。
c.適切な検査です。悪性リンパ腫の評価の参考になります。ただし高値だけでリンパ腫を確定はできません。
d.適切な検査です。卵黄囊腫瘍など非セミノーマ性胚細胞腫瘍の評価に用います。
e.適切な検査です。胸腺腫に合併する重症筋無力症の評価に関わります。腫瘤の病理診断を直接確定する検査ではありません。
覚えるポイント
前縦隔腫瘤では胸腺・胚細胞・リンパ系の疾患を考え、関連する検査を選ぶ。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。