精神病症状と連合弛緩|第112回医師国家試験D35

第112回医師国家試験 D35(2018年)

正答:c

問題

21歳の男性。奇妙な行動をとるため両親に伴われて来院した。1週間前に大学院の入学試験を受けてから不眠が続いていた。本日朝から駅前のベンチの周りを独り言を言いながら約3時間ぐるぐると回っていたことで警察に保護されたため、両親に伴われて近くの総合病院を受診した。

身振りや表情が乏しく、一点を凝視しており視線を合わせようとしない。急ににやにやするかと思うと、おびえたような表情に変わる。黙ったまま何かに聞き入ってうなずく様子がみられ、質問には全く返答することはないが、唐突に「なるほど」「だからか」などとあたかも対話するように短く独語する。これまでに発達や適応上の問題はない。血液生化学所見、頭部MRI及び脳波で異常を認めない。

この疾患にみられる症状はどれか。

a.感覚失語

b.行為心迫

c.連合弛緩

d.小動物幻視

e.記銘力障害

正答の理由

幻聴に反応するような独語・空笑や、感情表出の乏しさから統合失調症圏の精神病状態を考える。この疾患群に特徴的な思考障害として、考えのつながりが緩んで話がまとまらなくなる連合弛緩がある。ただし、今回示された短い経過だけで統合失調症の診断期間まで満たすとは断定しない。

各選択肢の検討

a.言語理解の障害で、失語を来す脳病変を考える。幻聴や空笑を中心とする本例の病態とは異なる。

b.次々と行動せずにいられない状態で、躁状態などでみられる。特徴的な思考障害としては連合弛緩を選ぶ。

c.思考の関連が緩み、話題のつながりが分かりにくくなる症状である。

d.アルコール離脱せん妄などでみられ、本例で前景に立つ幻聴とは異なる。

e.健忘性疾患などで重要な所見である。認知機能の問題を伴うことはあるが、この設問の代表症状ではない。

覚えるポイント

幻聴・空笑に加え、思考のまとまりが失われる連合弛緩を整理する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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