第112回医師国家試験 D33(2018年)
正答:d
問題
8歳の男児。頭部の脱毛と疼痛とを主訴に来院した。2か月前から頭皮に痒みとともに脱毛斑が出現した。市販の副腎皮質ステロイド外用薬を塗布していたところ、2週間前から次第に発赤し、膿疱や痂皮を伴い疼痛も出現してきたため受診した。ネコを飼育している。
痂皮を剝がすと少量の排膿があり圧痛を伴う。病変部に残存する毛は容易に抜毛される。後頸部に径2 cmのリンパ節を2個触知し圧痛を認める。後頭部の写真(別冊No.16A)と抜毛の苛性カリ〈KOH〉直接鏡検標本(別冊No.16B)とを別に示す。
治療薬として適切なのはどれか。
a.イソニアジド
b.バラシクロビル
c.ミノサイクリン
d.イトラコナゾール
e.レボフロキサシン

正答の理由
脱毛、膿疱・痂皮、圧痛と頸部リンパ節腫大に、抜毛KOH標本の真菌所見を伴う。頭部白癬の強い炎症型であるケルスス禿瘡を考え、選択肢では経口抗真菌薬のイトラコナゾールを用いる。外用薬だけでは毛包内の感染に十分対応できない。菌種や薬剤選択は培養結果、年齢、国内の承認・使用条件などを確認して決める。
画像の見方
Aでは脱毛部の発赤・痂皮と膿疱を認める。Bでは毛に沿う多数の胞子様の真菌要素がみられる。写真だけで菌種は確定しない。
各選択肢の検討
a.抗結核薬であり、皮膚糸状菌には用いない。
b.ヘルペスウイルス感染症の薬であり、真菌感染には無効である。
c.抗菌薬であり、二次細菌感染を伴う場合を除き原因治療にならない。
d.経口抗真菌薬で、提示された薬剤のうち頭部白癬に対応する。
e.抗菌薬であり、今回の毛の真菌感染に対する治療薬ではない。
覚えるポイント
膿のある脱毛斑でも白癬を忘れず、抜毛の直接鏡検を確認する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。