第112回医師国家試験 D6(2018年)
正答:d
問題
ある患者に対して処置を行った後の腹部エックス線写真(別冊No.2)を別に示す。
この患者の疾患として考えられるのはどれか。
a.イレウス
b.Crohn病
c.食道静脈瘤
d.総胆管結石
e.非閉塞性腸管虚血症

正答の理由
チューブが食道から胃を通り、十二指腸付近で反転して右上腹部の胆道内へ進む像は、内視鏡的経鼻胆管ドレナージ〈ENBD〉に合います。総胆管結石による閉塞・胆管炎などで用いる処置で、選択肢ではdが該当します。ENBDは腫瘍等でも用いられるため、チューブだけで結石という原因まで確定はできません。
画像の見方
チューブが上方から胃の輪郭に沿って進み、十二指腸付近で折り返して右上腹部へ上行しています。ENBDの走行に合い、右上腹部には複数の石灰化陰影も見えますが、単純写真だけで結石の正確な存在部位や閉塞原因は確定しません。
各選択肢の検討
a.誤り。イレウス管は腸管内を減圧するために進め、胆道へ向かうこの走行とは異なります。
b.誤り。消化管の炎症性疾患で、ENBDの典型的な適応ではありません。
c.誤り。食道静脈瘤への止血処置で、胆管内へ進むチューブを用いるものではありません。
d.正しい。結石に伴う胆道閉塞・胆管炎に対して胆汁を排出する処置が考えられます。
e.誤り。腸管血流障害の疾患であり、この胆道処置の対象としては合いません。
覚えるポイント
ENBDは胃・十二指腸から乳頭を経由して胆道へ向かう。チューブの形から処置を判断する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。