水晶体摘出後の屈折と眼内レンズ|第112回医師国家試験D1

第112回医師国家試験 D1(2018年)

正答:c

問題

白内障手術について正しいのはどれか。

a.水晶体摘出には冷凍凝固装置が用いられる。

b.眼内レンズを挿入すると調節力が回復する。

c.水晶体を摘出すると正視の場合には遠視になる。

d.眼内レンズは劣化のため入れ替える必要がある。

e.眼内レンズは虹彩に固定するタイプが用いられる。

正答の理由

水晶体には光を屈折させる働きがあるため、正視眼で水晶体だけを摘出すると屈折力が不足し、遠視になります。通常の白内障手術では水晶体を摘出して眼内レンズを囊内に挿入します。eについては、囊の支持が不十分な症例等で虹彩固定を用いる方法は実際に存在するため、虹彩固定レンズ自体が存在しないという説明は誤りです。公式正答は通常の手術と屈折を問うcです。

各選択肢の検討

a.誤り。現在の代表的な方法は超音波乳化吸引です。冷凍凝固装置を標準的な摘出装置とする記述ではありません。

b.誤り。通常の眼内レンズは若い水晶体のように形を変える調節力を回復させません。多焦点等による見える距離の拡大と生理的調節を区別します。

c.正しい。眼内レンズ等で補正しない無水晶体眼では屈折力が減り、正視眼は遠視化します。

d.誤り。経年劣化を理由とする定期交換は原則不要です。脱臼や混濁等、別の理由で交換することはあります。

e.本問の公式正答ではありません。通常は水晶体囊内への固定ですが、囊支持不良などでは虹彩固定の選択肢もあるため、この文を全症例で否定はできません。

覚えるポイント

水晶体の摘出だけでは遠視化する。眼内レンズによる屈折補正と調節力の回復は別。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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