第112回医師国家試験 B47(2018年)
正答:a
問題
66歳の男性。発熱、頭痛および嘔吐のため救急車で搬入された。
現病歴:2日前から38 ℃の発熱があった。昨日、頭部全体の頭痛が出現し徐々に増悪して、市販の鎮痛薬を内服しても改善しなかった。さらに嘔吐を繰り返すようになったため、同居する妻が救急車を要請した。
既往歴:58歳時から高血圧症のため内服治療中。
生活歴:妻と2人暮らし。長年、事務職をしていた。喫煙は20本/日を35年間。飲酒はビール350 mL/日を30年間。
家族歴:父親が高血圧症。母親が大腸癌で死亡。
現症:意識レベルはJCSⅠ-1。身長173 cm、体重52 kg。体温38.7 ℃。心拍数90/分、整。血圧110/66 mmHg。呼吸数22/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。瞳孔不同はなく、対光反射は両側正常。口腔粘膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
診断のために血液培養の検体を採取することにした。
採取にあたり適切なのはどれか。
a.2セット採取する。
b.抗菌薬投与後に採取する。
c.採取後は検体容器を冷蔵する。
d.手指消毒後、素手で採取する。
e.動脈からの採取が優先される。
正答の理由
成人で血流感染を疑う場合は、可能なら抗菌薬投与前に末梢静脈から血液培養を2セット採取します。菌を検出する機会を高め、皮膚常在菌の混入かどうかの判断にも役立ちます。ただし髄膜炎等で治療を急ぐ場合は、培養採取のため抗菌薬を不当に遅らせません。
各選択肢の検討
a.正しい。通常は好気・嫌気ボトル等からなるセットを2組採取します。1ボトルと1セットを区別します。
b.抗菌薬により検出率が低下し得るため、可能な限り投与前に採取します。緊急治療の遅延は避けます。
c.通常は室温で速やかに検査室へ送り、冷蔵しません。施設と使用ボトルの手順に従います。
d.手指衛生に加えて手袋などの適切な防護具を使い、皮膚とボトル栓の消毒を行います。
e.通常は末梢静脈採血を用い、動脈採血を優先しません。
覚えるポイント
血液培養は原則抗菌薬前に2セット、室温で速やかに提出。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第112回医師国家試験問題および正答
- CDC:成人血液培養の複数セット・採血量・抗菌薬前採取
- NSW Clinical Excellence Commission:血液培養の防護具・末梢採血・室温輸送
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。