第112回医師国家試験 A48(2018年)
正答:e
問題
70歳の男性。健診で検査値の異常を指摘されたため来院した。1年前に脳梗塞の既往がある。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。
血液所見:赤血球468万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42%、白血球12,300(桿状核好中球30%、分葉核好中球45%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板253万。染色体は正常核型である。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.20A)と骨髄生検のH-E染色標本(別冊No.20B)とを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a.骨髄線維症
b.慢性骨髄性白血病
c.骨髄異形成症候群
d.真性赤血球増加症
e.本態性血小板血症


正答の理由
血小板253万という著しい血小板増加と骨髄の巨核球増加を認め、赤血球増加はありません。血栓症である脳梗塞の既往も本態性血小板血症に合います。実際の診断では反応性血小板増加を除外し、骨髄形態やJAK2・CALR・MPLなどの遺伝子変異を評価して他の骨髄系腫瘍と区別します。正常核型だけで全ての腫瘍性疾患を除外できるわけではありません。
画像の見方
末梢血では赤血球の間に多数の血小板がみられます。骨髄には大きな細胞質と分葉状の核を持つ巨核球が多数みられ、血小板産生系の増殖を示唆します。画像のみで線維化の程度や遺伝子型までは確定しません。
各選択肢の検討
a.線維化、巨核球の異型、涙滴赤血球や白赤芽球症などを評価します。本例は著しい血小板増加と巨核球の増殖が中心です。
b.一般に顆粒球系の増加やBCR::ABL1が重要です。本例では血小板増加が際立ち、正常核型も踏まえるとETが最も適します。ただしCMLの除外には必要に応じ分子検査を行います。
c.血球減少や血球の異形成が診断の手掛かりで、本例の優勢な所見は血小板・巨核球の増加です。
d.Hb 13.9 g/dL、Ht 42%で、明らかな赤血球増加がありません。
e.正しい。持続性の血小板増加、巨核球増加、血栓症歴という組合せに合います。
覚えるポイント
著明な血小板増加と巨核球増加ではETを考え、反応性変化や他の骨髄増殖性腫瘍を除外します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。