第112回医師国家試験 A42(2018年)
正答:e
問題
27歳の女性。突然起こる動悸や息苦しさを主訴に来院した。約1か月前、出勤時の電車内で突然、動悸と冷や汗が出始め次第に呼吸が荒くなり、「このまま窒息して死んでしまうのではないか」という恐怖感に襲われた。途中の駅で電車を降りたところ、症状は約10分で軽快した。以後も電車の中と自宅で1回ずつ同様の症状があった。心電図を含めた精査を行ったが、異常を認めない。どのような場所にいても「また症状が起きるのではないか」という心配が続いている。
このような心配が持続する症状はどれか。
a.心気妄想
b.自生思考
c.閉所恐怖
d.妄想気分
e.予期不安
正答の理由
繰り返す急激な動悸、呼吸困難、死への恐怖はパニック発作を示唆します。発作そのものが起きていないときにも「また発作が起こるのではないか」と心配が続くのが予期不安です。場所を問わず再発を心配しており、単に狭い場所への恐怖を表すものではありません。
各選択肢の検討
a.重い病気にかかっているという訂正困難な確信です。本例の発作再発への心配とは異なります。
b.意図しない考えが次々と自然に浮かぶ体験で、発作を予測して心配する症状とは異なります。
c.閉じた空間そのものに対する恐怖です。本例では自宅を含め場所を問わず、発作の再来を心配しています。
d.周囲や世界が不気味に変わったような切迫感を伴う妄想形成前の体験で、本例の具体的な再発への不安とは異なります。
e.正しい。将来また発作が起きることを予測して不安になる状態です。
覚えるポイント
発作がないときの「また起きたらどうしよう」は予期不安。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。