前頭側頭型認知症の常同言語|第111回医師国家試験I6

第111回医師国家試験 I6(2017年)

正答:e

問題

記銘力低下を認める患者の家族の訴えで、Pick病を最も疑わせるのはどれか。

a.「夜中に起きて騒ぎ立てます」

b.「鏡の中の自分に話しかけます」

c.「物がないと家族が盗ったと言います」

d.「同じような食事しか作らなくなりました」

e.「会話の内容に関係ない言葉を繰り返します」

正答の理由

同じ言葉を状況と無関係に繰り返す常同言語は、前頭側頭型認知症を示唆します。本問のPick病はこの臨床像を念頭に置く表現ですが、現在の病理学的なPick病と前頭側頭型認知症全体は同義ではありません。記銘力低下だけよりも、常同行動や人格・行動の変化が鑑別の手掛かりです。

各選択肢の検討

a.誤り。睡眠覚醒リズムの障害や夜間の不穏は多くの認知症でみられ、特異性が低い訴えです。

b.誤り。鏡像を自分と認識できない鏡現象は、他の認知症でもみられます。

c.誤り。物盗られ妄想はAlzheimer型認知症などでもみられます。

d.本問の最適肢ではありません。調理能力低下でも起こります。ただし食のこだわり・反復も前頭側頭型認知症で起こり得るため、完全に否定する所見ではありません。

e.正しい。場面に合わない言語の常同的な反復が手掛かりとなります。

覚えるポイント

前頭側頭型認知症では常同行動・常同言語を確認する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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