低レニン・低アルドステロンの高血圧と低K血症|第111回医師国家試験H21

第111回医師国家試験 H21(2017年)

正答:c

問題

65 歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。2週間前から疲れやすさと後頭部痛とを自覚していた。2日前からふらつきも出現したため受診した。意識は清明。身長 156 cm、体重 63 kg。体温 36.8 °C。脈拍 64/分、整。血圧 172/94 mmHg。 SpO2 98 %(room air)。胸部の聴診でIII音とIV音とを聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、血管雑音を聴取しない。下肢に浮腫を認めない。血液所見:赤血球 415 万、Hb 13.0 g/dL、白血球 8,000、血小板 19 万。血液生化学所見:血糖 102 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 2.8 mEq/L、Cl 98 mEq/L、Ca 8.4 mg/dL、P 4.2 mg/dL。安静臥位での血漿レニン活性〈PRA〉0.1 ng 未満/mL/時間(基準 1.2〜2.5)、アルドステロン4ng/dL(基準5〜10)。

改めて確認すべき情報はどれか。

a.便秘の有無

b.動物の飼育

c.常用薬の有無

d.果物の多量摂取

e.最近の海外渡航歴

正答の理由

高血圧と低K血症があり、レニンだけでなくアルドステロンも低下しています。甘草・グリチルリチンを含む漢方薬などによる偽アルドステロン症を疑い、処方薬、市販薬、漢方薬などの常用を確認します。甘草の影響で腎のコルチゾール不活性化が抑えられ、鉱質コルチコイド作用が強まるため、レニンとアルドステロンが抑制されます。

各選択肢の検討

a.誤り。低K血症によって便秘が起こることはありますが、高血圧と両ホルモン低値の原因を探す質問として常用薬を優先します。

b.誤り。動物の飼育歴はこのホルモン所見を説明する手掛かりとして優先しません。

c.正しい。甘草・グリチルリチン含有薬などによる偽アルドステロン症を確認します。服薬の事実がまだないため、この段階では疑いです。

d.誤り。一般に果物の多量摂取はK摂取増加につながり、本問の低K性高血圧の説明として適切ではありません。

e.誤り。渡航歴よりも薬剤による鉱質コルチコイド作用を調べることが優先です。

覚えるポイント

低K性高血圧でレニン・アルドステロンとも低値なら、甘草を含む服薬歴を確認。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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