第111回医師国家試験 H13(2017年)
正答:b
問題
疾病と腹部診察所見の組合せで正しいのはどれか。
| 選択肢 | 疾病 | 腹部診察所見 |
|---|---|---|
| a | 胆囊癌 | Courvoisier徴候 |
| b | 急性胆囊炎 | Murphy徴候 |
| c | 下大静脈閉塞 | 臍を中心とする放射状の静脈怒張 |
| d | 急性汎発性腹膜炎 | 腸管蠕動亢進 |
| e | 十二指腸潰瘍穿孔 | 肺肝濁音界上昇 |
正答の理由
右肋骨弓下の胆囊部を圧迫して深吸気を促すと、痛みで吸気が止まるのがMurphy徴候です。急性胆囊炎でみられますが、この所見だけで診断を確定したり、陰性なら必ず除外したりはせず、病歴・血液検査・画像所見と合わせて評価します。
各選択肢の検討
a.誤り。無痛性の胆囊腫大を伴う閉塞性黄疸の徴候で、膵頭部癌などの下部胆道閉塞が代表です。胆囊癌との代表的対応としては選びません。
b.正しい。炎症を起こした胆囊が吸気時に圧迫されて痛みを生じ、吸気が中断します。
c.誤り。臍中心の放射状怒張は門脈圧亢進に伴う側副血行路を考えます。下大静脈閉塞の典型的な走行とは異なります。
d.誤り。腹膜炎では麻痺性の運動低下を伴い、腸雑音は減弱・消失する方向です。
e.誤り。消化管穿孔による腹腔内遊離ガスで、肝濁音の消失などが問題となります。肺肝濁音界上昇との組合せではありません。
覚えるポイント
Murphy徴候は急性胆囊炎を疑う所見。単独では確定・除外しない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。