第111回医師国家試験 G59(2017年)
正答:c・e
問題
80歳の女性。半年前からの労作時息切れを主訴に来院した。手術の既往はない。顔色は不良で眼瞼結膜は貧血様である。血液所見:赤血球250万、Hb 6.9g/dL、Ht 33%、白血球4,300、血小板16万。
この患者で低下している可能性が高い血液検査項目はどれか。**2つ選べ。**
a.LD
b.ALP
c.網赤血球
d.ガストリン
e.ビタミンB₁₂
正答の理由
原本のHtと赤血球数からMCV=33×10÷2.50=132fLと計算され、大球性貧血です。選択肢の組合せはビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血を想定し、無効造血による網赤血球低下とB12低値を選びます。原本のHb 6.9g/dLとHt 33%は通常の対応から外れますが、数値を推測で修正しません。MCVだけでB12欠乏や悪性貧血を確定するものではなく、実際は再検や末梢血塗抹、B12・葉酸などを確認します。
各選択肢の検討
a.誤り。巨赤芽球性貧血では無効造血によりLDが高くなるのが典型です。
b.誤り。ALP低下はこの貧血を説明する代表的な所見ではありません。
c.正しい。無効造血のため、貧血に見合う網赤血球の増加が得られず、低値となります。
d.誤り。悪性貧血に伴う自己免疫性胃炎・無酸症なら、むしろ上昇し得ます。全てのB12欠乏例で上昇するわけではありません。
e.正しい。B12欠乏による巨赤芽球性貧血が設問で想定されています。
覚えるポイント
MCV=Ht(%)×10÷赤血球数(百万/μL)。巨赤芽球性貧血は無効造血で網赤血球低値。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第111回医師国家試験問題および正答
- NHLBI:ビタミンB12欠乏性貧血
- 日本内科学会:巨赤芽球性貧血診療の現状
- MSD Manual:貧血の評価・各貧血の検査所見
- Nagao・Hirokawa:成人大球性貧血の診断と治療(2017)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。