放射線性口腔粘膜炎での経腸栄養|第111回医師国家試験G42

第111回医師国家試験 G42(2017年)

正答:d

問題

58歳の男性。右中咽頭癌で放射線化学療法のため入院中である。終了予定線量66 Gy(2Gy/日)で放射線治療を開始したが、40 Gy 照射した時点で口腔内の痛みのため食事の摂取が困難になった。便通は正常である。栄養サポートチーム〈NST〉に相談して食事形態の見直しと十分な疼痛管理とを行ったが改善しない。

身長 172 cm、体重 56 kg。脈拍 84/分、整。血圧 134/80 mmHg。口腔内の写真(別冊No.7)を別に示す。

最も適切な対応はどれか。

a.胃瘻を造設する。

b.腸瘻を造設する。

c.末梢静脈栄養を行う。

d.経鼻経管栄養を行う。

e.中心静脈栄養を行う。

口腔粘膜の発赤・びらんと白色調の付着。
No.7:口腔内 / 出典:厚生労働省・第111回G別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

口腔に発赤・びらんと白色調の付着を伴う粘膜障害があり、放射線治療中の疼痛で経口摂取できない状態です。消化管機能は保たれているため、経鼻経管栄養で口腔を経由する摂食の負担を避けて栄養を補います。本問は比較的短期の対応としてdを選びます。長期に経管栄養が必要と予測される場合には、本人の希望やリスクを踏まえ胃瘻も選択肢になります。

画像の見方

口腔粘膜の発赤・びらんと白色調の付着。

各選択肢の検討

a.誤り。長期の経管栄養では検討しますが、現時点の一時的な摂取障害に対し、まず経鼻経管栄養を選びます。

b.誤り。胃が使えないことを示す情報はなく、侵襲的な腸瘻造設を優先しません。

c.誤り。消化管を利用でき、末梢静脈栄養だけでは十分な栄養を長く確保しにくいため、経腸経路を優先します。

d.正しい。消化管機能を利用して、口腔痛で不足した栄養を補えます。

e.誤り。腸管が使用可能であれば、カテーテル関連合併症を伴う中心静脈栄養を第一に選びません。

覚えるポイント

食べられなくても腸が使えるなら経腸を検討。経路は期間・誤嚥等で選ぶ。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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