第111回医師国家試験 F10(2017年)
正答:a
問題
心拍数と脈拍数が一致しにくいのはどれか。
a.心房細動
b.心房頻拍
c.Ⅰ度房室ブロック
d.完全房室ブロック
e.4:1伝導の心房粗動
正答の理由
心房細動では心室収縮の間隔が不規則です。短い間隔の拍動では心室の充満や駆出が不十分となり、心音はあっても末梢で触れる脈が生じないことがあります。この脈拍欠損によって、心拍数より脈拍数が少なくなります。心房細動の全例で必ず生じるわけではありません。
各選択肢の検討
a.正しい。不規則な心室間隔と拍出量の変動で、末梢脈拍を触れない拍動が生じ得ます。
b.誤り。一般に心室収縮が規則的に伝わる場合、心拍と末梢脈は対応します。頻拍による循環不全などの特殊な条件は別です。
c.誤り。房室伝導時間が延びますが、通常は各心房興奮が心室へ伝わり、心拍数と脈拍数のずれを生む代表ではありません。
d.誤り。心房と心室は解離しますが、心拍数は心室収縮で数えます。心房拍数と心室拍数の差を、心拍数と脈拍数の差と混同しません。
e.誤り。4:1で規則的に心室へ伝導する場合、心室収縮と末梢脈は通常対応します。心房興奮数そのものを心拍数と数えません。
覚えるポイント
脈拍欠損は、心尖部の心拍数より末梢で触れる脈拍数が少ない状態。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。