第111回医師国家試験 E54(2017年)
正答:b
問題
1か月の乳児。発熱を主訴に両親に連れられて来院した。本日から38℃台の発熱を認めたため夜間の救急外来を受診した。咳や鼻汁などの気道症状はなく、嘔吐や下痢もない。しかし、何となく元気がなく泣き声も弱々しい。哺乳量も普段の半分程度であるという。在胎39週、2,980gで出生した。昨日までは機嫌がよく、母乳栄養で体重増加は良好であった。
咽頭は発赤を認めず、心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。大泉門は平坦である。体温38.5℃。脈拍140/分、整。呼吸数40/分。血液所見:赤血球380万、Hb 12.6g/dL、白血球3,500、血小板25万。血液生化学所見:総ビリルビン5.3mg/dL、直接ビリルビン0.2mg/dL、AST 48U/L、ALT 44U/L、LD 697U/L(基準314〜737)、ALP 836U/L(基準413〜1,080)、尿素窒素10mg/dL、クレアチニン0.2mg/dL、血糖64mg/dL、Na 138mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 0.3mg/dL。
両親に対する説明として適切なのはどれか。
a.「明日の外来を受診してください」
b.「重症感染症の疑いがあります」
c.「解熱薬を使用しましょう」
d.「肝機能異常があります」
e.「光線療法が必要です」
正答の理由
生後1か月で38.5℃の発熱があり、活気低下、弱い啼泣、哺乳不良、白血球3,500/μLを伴います。敗血症や髄膜炎などの重症感染症を疑い、迅速な評価と治療が必要です。発症早期のCRP低値や平坦な大泉門だけでは、これらを除外できません。
各選択肢の検討
a.誤り。低月齢で全身状態不良の徴候があり、翌日まで家庭で待機させる説明は不適切です。
b.正しい。重症感染症の可能性を説明し、培養検査などを含む緊急評価を行います。
c.誤り。解熱薬だけの対応を主眼とせず、原因の評価と全身管理を優先します。
d.誤り。成人の基準だけで乳児の肝機能異常と判断しません。提示された軽微な値よりも発熱と全身状態が重要です。
e.誤り。総ビリルビン5.3mg/dLの間接優位という情報から光線療法を要するとはいえず、現在の主問題は感染症の評価です。
覚えるポイント
3か月未満の発熱は慎重に評価し、活気・哺乳・白血球数を重視する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。