前立腺癌の家族歴と遺伝的要因|第111回医師国家試験E50

第111回医師国家試験 E50(2017年)

正答:c

問題

61歳の男性。人間ドックでPSA 23.0ng/mL(基準4.0以下)を指摘され来院した。自覚症状はない。家族歴は父親が前立腺癌で死亡。直腸指診で前立腺左葉に硬結を触知する。経直腸超音波検査で前立腺左葉に低エコー領域を認める。前立腺針生検で8か所中2か所に低分化腺癌(Gleason score 5+4)を認める。

この患者に説明する内容として正しいのはどれか。

a.偶発癌である。

b.非上皮性腫瘍である。

c.遺伝的要因が疑われる。

d.肺と肝とに転移しやすい。

e.直腸への播種が疑われる。

正答の理由

父親も前立腺癌であり、家族歴から遺伝的要因の関与を疑います。ただし、この情報だけで特定の生殖細胞系列変異や遺伝性腫瘍症候群が確定するわけではありません。PSA高値から精査し、針生検で診断された腺癌です。Gleason scoreは5+4=9で、悪性度の高い組織です。

各選択肢の検討

a.誤り。前立腺肥大症など別の目的で切除した組織から偶然発見された癌ではありません。

b.誤り。腺癌は腺上皮由来の上皮性悪性腫瘍です。

c.正しい。第一度近親者の前立腺癌は重要な家族歴です。

d.誤り。前立腺癌では骨やリンパ節への転移が重要です。肺・肝転移も起こりますが、ここでの典型的な説明として選びません。

e.誤り。直腸指診や経直腸生検を行ったことから、直腸への播種を疑うことはできません。

覚えるポイント

父・兄弟などの前立腺癌歴を確認し、家族歴と遺伝子変異の確定を区別する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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