ChiariⅠ型奇形と脊髄空洞症|第111回医師国家試験D40

第111回医師国家試験 D40(2017年)

正答:c

問題

12歳の男児。サッカーの練習をすると頭が痛くなることを主訴に父親に連れられて来院した。安静時は体位にかかわらず頭痛はない。意識は清明。脈拍76/分、整。血圧126/74mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。頭部MRIのT2強調矢状断像(別冊No.17)を別に示す。

今後、発症する可能性が最も高いのはどれか。

a.水頭症

b.脳梗塞

c.脊髄空洞症

d.くも膜囊胞

e.小脳血管芽腫

別冊No.17 頭部MRI T2強調矢状断像:小脳扁桃が大後頭孔を越えて下垂しています。提示の頭部矢状断像だけで脊髄空洞の有無は評価しきれません。
別冊No.17 頭部MRI T2強調矢状断像 / 出典:厚生労働省・第111回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

矢状断MRIで小脳扁桃が大後頭孔を越えて下垂しており、ChiariⅠ型奇形を考えます。大後頭孔部の髄液流動障害に関連して脊髄空洞症を合併し得ます。運動時に誘発される頭痛もこの病態と整合します。

画像の見方

小脳扁桃が大後頭孔を越えて下垂しています。提示の頭部矢状断像だけで脊髄空洞の有無は評価しきれません。

各選択肢の検討

a.誤り。Chiari奇形に伴うことはありますが、Ⅰ型で特に関連する合併症としては脊髄空洞症を選びます。

b.誤り。この形態異常から将来の脳梗塞を最も予測するわけではありません。

c.正しい。脊髄内に髄液性の空洞を形成する病態で、ChiariⅠ型奇形との関連が強い合併症です。

d.誤り。独立した囊胞性病変であり、提示された形態の典型的な後発合併症ではありません。

e.誤り。小脳の腫瘍であり、ChiariⅠ型奇形から発症すると考えるものではありません。

覚えるポイント

ChiariⅠ型奇形では脊髄空洞症の合併を確認する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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