第111回医師国家試験 D35(2017年)
正答:d
問題
69歳の女性。血便を主訴に来院した。既往歴に特記すべきことはない。下部消化管内視鏡検査で肛門から20cm口側に病変を認める。下部消化管内視鏡像(別冊No.14)を別に示す。
根治手術の際に根部で結紮切離するのはどれか。
a.上腸間膜動脈
b.回結腸動脈
c.中結腸動脈
d.下腸間膜動脈
e.内腸骨動脈

正答の理由
肛門から20cm口側の潰瘍性腫瘤はS状結腸癌を考える位置・内視鏡所見です。S状結腸動脈は下腸間膜動脈の枝なので、設問の根部結紮切離に対応するのは下腸間膜動脈です。実際の結紮位置は郭清範囲や血流温存を考慮して決めます。
画像の見方
内視鏡で不整な周堤と中央陥凹を伴う隆起性病変を認めます。癌を疑う所見ですが確定には病理検査を要します。
各選択肢の検討
a.誤り。小腸や右側結腸などの血流を担う動脈で、S状結腸の主幹動脈ではありません。
b.誤り。上腸間膜動脈の枝で、回腸末端・盲腸周辺などを栄養します。
c.誤り。上腸間膜動脈の枝で、主に横行結腸を栄養します。
d.正しい。S状結腸動脈を分枝する主幹動脈です。
e.誤り。骨盤内臓器を栄養する動脈ですが、S状結腸癌の主幹動脈として切離するものではありません。
覚えるポイント
S状結腸は下腸間膜動脈の支配領域。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第111回医師国家試験問題および正答
- University of Arkansas for Medical Sciences:Arteries of the Abdomen(inferior mesenteric, sigmoid)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。