第111回医師国家試験 D25(2017年)
正答:b
問題
28歳の女性。3週間前から続く鼻汁と鼻閉とを主訴に来院した。3日前に症状が悪化し、両側頰部の鈍痛と38℃台の発熱が出現した。職業は保育士。身長163cm、体重54kg。体温37.8℃。脈拍84/分、整。血圧122/70mmHg。副鼻腔エックス線写真で両側上顎洞に濃い陰影を認める。咽頭と鼻腔の内視鏡像(別冊No.6A、B)を別に示す。
治療を開始する際に必要な検査はどれか。
a.CRP
b.細菌培養検査
c.末梢血好酸球数
d.血清抗原特異的IgE
e.インフルエンザウイルス迅速抗原検査

正答の理由
長引く鼻症状に顔面痛・発熱が加わり、内視鏡では粘膿性の分泌物を認めるため、細菌性の急性鼻副鼻腔炎を考えます。抗菌薬治療を検討する本問では、膿性分泌物を採取して培養・感受性検査を行うことが選択肢の中で重要です。軽い鼻副鼻腔炎の全例で培養や抗菌薬が必須という意味ではありません。
画像の見方
Aの咽頭後壁とBの鼻腔内に黄白色の粘稠な分泌物がみられます。写真から原因菌や耐性の有無を特定することはできません。
各選択肢の検討
a.誤り。炎症の参考にはなりますが、原因菌や薬剤感受性を示しません。
b.正しい。適切な部位から検体を採り、菌と薬剤感受性を治療選択の参考にします。検出菌が常に原因菌とは限らない点に注意します。
c.誤り。好酸球性疾患の評価ですが、本例の発熱・膿性分泌物の治療選択では培養が優先です。
d.誤り。アレルギーの評価であり、今回の化膿性感染の原因菌を評価できません。
e.誤り。長い経過と局所の膿性病変から、まず細菌性鼻副鼻腔炎への対応を考えます。
覚えるポイント
膿性鼻汁・顔面痛を伴う鼻副鼻腔炎では、必要に応じ適切な検体の培養を行う。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。