第111回医師国家試験 B20(2017年)
正答:e
問題
腹部症状を生じないのはどれか。
a.急性心筋炎
b.急性冠症候群
c.劇症1型糖尿病
d.高カルシウム血症
e.頸椎椎間板ヘルニア
正答の理由
心疾患や代謝・内分泌疾患でも、悪心・嘔吐・腹痛などが前景に立つことがある。急性心筋炎、急性冠症候群、ケトアシドーシスを伴う劇症1型糖尿病、高カルシウム血症はその例である。一方、頸椎椎間板ヘルニアは頸部・肩・上肢の神経症状や脊髄症が中心で、この比較では腹部症状を通常生じない疾患としてeを選ぶ。
各選択肢の検討
a.感冒様症状や消化器症状が先行・併存し、悪心、嘔吐、腹痛などで受診することがある。
b.特に下壁梗塞などでは心窩部不快感、悪心、嘔吐を伴うことがあり、腹部疾患と取り違えない。
c.急速なインスリン欠乏によるケトアシドーシスで悪心・嘔吐・腹痛を起こし得る。
d.食欲不振、悪心、便秘、腹痛などを起こす。
e.正答。通常は頸部痛・上肢痛やしびれ、脊髄障害による四肢の症状が中心である。
覚えるポイント
腹部症状だけでも心疾患と代謝性疾患を鑑別する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第111回医師国家試験問題および正答
- 日本循環器学会:心筋炎の診断・治療ガイドライン2023、症状
- CDC:Diabetic Ketoacidosis、Signs and symptoms
- 東京科学大学整形外科:頚椎椎間板ヘルニア
- eviQ:Hypercalcaemia of malignancy、症状
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。