第111回医師国家試験 A59(2017年)
正答:c・d・e
問題
68歳の女性。喀血を主訴に来院した。気管支内視鏡像(別冊No.25A、B)を別に示す。なお、別冊No.25Bは別冊No.25Aの①の腔内に内視鏡を進めたものである。
図の①〜④について、正しいのはどれか。3つ選べ。
a.①は右主気管支である。
b.②には軟骨組織が存在する。
c.③の腹側には上行大動脈が存在する。
d.④は腫瘍性病変である。
e.④は閉塞性肺炎の原因になる。

正答の理由
Aは気管分岐部であり、①は左主気管支、②は後壁の膜様部、③は前方の気管分岐部を示す。③の腹側の方向には上行大動脈が位置する。①内へ進めたBでは④に不整な隆起性病変があり、腫瘍性病変を疑う。気管支を狭窄・閉塞させれば末梢の排痰が障害され、閉塞性肺炎の原因となる。腫瘍の組織型は生検などで確認する。
画像の見方
Aでは気管分岐部と左主気管支①、後壁膜様部②、前方の分岐部③が示される。Bでは不整な隆起④が内腔へ突出している。
各選択肢の検討
a.誤り。①は左主気管支である。右主気管支との分岐方向や走行を確認する。
b.誤り。②は後壁の膜様部で、前方・側方の軟骨性部分と異なり軟骨を欠く。
c.正しい。③の腹側方向には上行大動脈が位置する。気管分岐部と直接接する唯一の構造という意味ではない。
d.正しい。不整な隆起性病変で、腫瘍を疑う。画像だけで組織型までは決められない。
e.正しい。気管支閉塞により末梢に感染・炎症を起こし得る。実際に肺炎を併発しているかは肺画像などで評価する。
覚えるポイント
気管支鏡は左右・前後を把握して読む。後壁膜様部は軟骨を欠き、内腔腫瘍は末梢の閉塞性肺炎を起こし得る。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。