第111回医師国家試験 A51(2017年)
正答:e
問題
65歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。1か月前から乾性咳嗽が続いている。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は20本/日を40年間。
胸部エックス線写真で異常陰影を認める。喀痰細胞診で腺癌細胞を認める。胸部CTで縦隔リンパ節の腫大を認めない。頭部MRIで脳転移を認めない。
肺野条件の胸部CT(別冊No.23A)とFDG-PETの全身像(別冊No.23B)とを別に示す。
適切な治療法はどれか。
a.放射線療法
b.抗癌化学療法
c.化学放射線療法
d.右肺部分切除術
e.縦隔リンパ節郭清を伴う右下葉切除術


正答の理由
右下葉に末梢性の腫瘤があり、喀痰細胞診で腺癌が確認されている。縦隔リンパ節腫大、脳転移、PETでの明らかな遠隔転移を認めない条件から、切除可能な非小細胞肺癌として肺葉切除とリンパ節評価を選ぶ。本問では縦隔リンパ節郭清を伴う右下葉切除術が適切である。実際には呼吸・循環機能などの耐術能評価も必要である。
画像の見方
右下葉末梢に辺縁不整・胸膜への引き込みを伴う腫瘤があり、PETでも対応する集積を認める。提示全身像に明らかな他部位転移を示す集積は目立たない。
各選択肢の検討
a.手術不能例などでは根治照射を検討するが、手術可能な本例で第一に選ぶ治療ではない。
b.進行例や術後の適応例で用いるが、切除可能な局所病変を薬物療法だけで治療する選択ではない。
c.主に切除不能の局所進行例などで検討する。本例にはその根拠がない。
d.選択された小型末梢病変や低肺機能例などでは縮小手術もあるが、本問の画像・選択肢では肺葉切除を優先する。
e.正しい。肺葉切除と縦隔リンパ節の評価によって根治と病理学的病期診断を目指す。
覚えるポイント
局在した切除可能な非小細胞肺癌では外科治療を検討する。現在の縮小手術の適応を否定するものではない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。