第110回医師国家試験 I77(2016年)
正答:a・e
問題
2か月の乳児。新生児聴覚スクリーニングで両耳とも要精査となったため母親に連れられて来院した。身長、体重は正常範囲であり、両側の鼓膜に異常を認めない。サイトメガロウイルス抗体検査は陰性であった。
まず行うべき検査はどれか。2つ選べ。
a.側頭骨 CT
b.染色体検査
c.純音聴力検査
d.重心動揺検査
e.聴性脳幹反応(ABR)
正答の理由
生後2か月では純音聴力検査の応答を得られず、両側の聴覚スクリーニング要精査にはABRで聴覚閾値を客観的に評価します。側頭骨CTは内耳・中耳の形態異常の検索に有用で、両側難聴の診断的評価として選びます。
各選択肢の検討
a.側頭骨CTは内耳・側頭骨の形態異常を評価し、難聴の原因検索に用います。
b.染色体検査は症候群を疑う身体所見などがある場合の原因検索で、まずの聴覚評価ではありません。
c.純音聴力検査は本人の行動応答が必要で、生後2か月児の初期精査には適しません。
d.重心動揺検査は平衡機能評価で、聴力の確認にはなりません。
e.ABRは乳児の聴覚閾値を客観的に評価でき、要精査となった乳児の診断的評価に行います。
覚えるポイント
乳児の要精査後は客観的な聴覚評価を早期に行い、確定後に原因検索を進めます。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- Joint Committee on Infant Hearing: Executive Summary
- 厚生労働省:第110回医師国家試験I問題
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。