第110回医師国家試験 I65(2016年)
正答:d
問題
71 歳の女性。人間ドックで異常を指摘されたため来院した。半年前の人間ドックの内視鏡検査で胃体部に直径約 3.0 cm の可動性良好な粘膜下腫瘍を指摘されたため受診した。腹部 CT で他臓器に病変は認めない。腫瘍組織の H-E染色標本(別冊No.22 A、B)、KIT(c-kit遺伝子産物)(別冊No.22 C)及び CD 34 に対する免疫組織化学染色標本(別冊No.22 D)を別に示す。
治療として最も適切なのはどれか。
a.胃全摘術
b.放射線療法
c.抗癌化学療法
d.胃部分切除術
e.Helicobacter pylori 除菌治療


正答の理由
胃体部の約3 cmの限局性粘膜下腫瘍で、KIT・CD34陽性の紡錘形細胞腫瘍はGISTに合致します。転移がなく、局所切除可能な胃GISTでは腫瘍被膜を損なわない胃部分切除が基本で、胃全摘は過大です。
画像の見方
A・Bで紡錘形細胞の増殖、C・Dで腫瘍細胞の褐色免疫陽性を確認。
各選択肢の検討
a.胃全摘は限局した3 cmの胃GISTに対して過大な切除です。
b.放射線療法は限局性GISTの標準的な根治治療ではありません。
c.切除可能な限局性GISTの第一選択は外科切除で、化学療法単独では根治になりません。
d.胃部分切除で腫瘍を被膜ごと完全切除するのが適切です。
e.H. pylori除菌は胃炎・胃癌リスク対策であり、GISTを治療しません。
覚えるポイント
局所GISTは腫瘍破裂を避けて完全切除し、胃では楔状・部分切除で正常胃を温存します。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- GEIS Guidelines for gastrointestinal stromal tumors (2023)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験I問題
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。