子宮頸部病変の診断的円錐切除|第110回医師国家試験I62

第110回医師国家試験 I62(2016年)

正答:a

問題

23歳の女性。未経妊。子宮頸癌検診で異常を指摘されて来院した。内診と経膣超音波検査で子宮は正常大で子宮体部内膜、付属器および子宮傍組織に異常を認めない。コルポスコピィで子宮頸部に異常所見があり、狙い組織診を実施した。H-E染色標本(別冊No. 21A、B)を別に示す。

この患者への対応として適切なのはどれか。

a.円錐切除

b.子宮全摘出

c.イミキモド塗布

d.化学放射線療法

e.経過観察(6か月後の再診)

別冊No. 21A 子宮頸部H-E標本(弱拡大)
別冊No. 21A / 出典:厚生労働省・第110回I別冊(原本の該当ページ)
別冊No. 21B 子宮頸部H-E標本(強拡大)
別冊No. 21B / 出典:厚生労働省・第110回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

生検標本には異型腺上皮を含む子宮頸部の上皮性病変がみられ、浸潤の有無と病変範囲を確定する必要がある。未経妊で子宮温存を希望し得る年齢でも、組織学的高度病変に対して診断と治療を兼ねた円錐切除を行う。

画像の見方

小倍率と強拡大の標本を確認。腺管構造を伴う異型上皮病変があり、標本だけで浸潤性を断定しない。

各選択肢の検討

a.円錐切除生検で異型上皮性病変を認めるため、円錐切除で病変の全体像と浸潤の有無を評価し、子宮を温存する。

b.子宮全摘出若年・未経妊で、現時点で浸潤癌や子宮外進展の証拠はなく、初回治療として子宮全摘は過剰である。

c.イミキモド塗布イミキモド外用は組織学的高度子宮頸部病変の標準治療ではない。

d.化学放射線療法化学放射線療法は浸潤性子宮頸癌の病期に応じて行う治療で、局所組織診のみで適応としない。

e.経過観察(6か月後の再診) 高度病変や腺病変が疑われる場合、6か月後まで観察だけでは浸潤の除外と確定が遅れる。

覚えるポイント

子宮頸部の高度上皮内病変では、浸潤癌を除外しつつ病変を切除できる円錐切除が選択肢となる。単なる経過観察、子宮全摘や化学放射線療法はこの症例の初期対応ではない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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